今回は脱毛症のメカニズムと特徴について解説していきます。正しい治療を行うには、脱毛症について正しく理解することが大切です。ネット上には間違った情報も溢れており、初めて見た方が、その情報が正しいかどうかを判断するのは極めて困難です。今回は日本皮膚科学会ガイドラインを元にした正確な情報を、一般の方にもわかりやすく噛み砕いて説明していきます。

男性型脱毛症について

男性の脱毛症のメカニズム

男性型脱毛症とは,毛周期を繰り返す過程で成長期が短くなり,休止期にとどまる毛包が多くなることを病態の基盤とし,臨床的には前頭部や頭頂部の頭髪が軟毛化して細く短くなり,最終的には頭髪が皮表に現れなくなる現象である、とされています。
しかしこの文章だと固くて分かりづらいので、かみ砕いて解説していきます。

ヒトの毛には、毛周期というサイクルが存在します。非常にシンプルに説明すると、毛周期とは、毛がある時期と、毛がない時期をくりかえすことです。全身のどこの毛も、毛が伸びる時期のあとに、成長が止まり、一旦抜ける時期が来ます。また抜けたあとに、しばらくすると新しい毛が生えてきて、また伸び始めます。このサイクルを延々と繰り返しています。

脱毛症ではこの毛周期のサイクルのバランスが崩れることで起こります。通常であれば、伸びる毛と、抜ける毛のバランスが取れていて、見た目には一定の毛の量が保たれていますが、なんらかの理由で、抜ける毛の方が多くなってしまうと、その部分の毛が薄くなり、脱毛症の状態になります。

毛周期のバランスが崩れる原因としては、男性ホルモンの影響が考えられています。

男性の脱毛症が起こる場所

男性の場合、おでこと頭のてっぺんから、少しずつ毛が薄くなり、やがて生えてこなくなります。おでこの生え際がM字のような形になったり、あたまのてっぺんが薄い中年男性は珍しくないのでイメージしやすいと思います。また症状の進行とともに、少しずつ毛が薄くなって、生えない範囲が広がっていきます。

男性の脱毛症の年齢


男性の毛が薄くなり始める年齢は、20代後半から30代にかけてです。その後少しずつ進行して、徐々に毛が薄くなって行きます。早い人は20代から対策が必要となるわけです。

診断方法

男性型脱毛症は、脱毛の経過や、他の家族の状況(家族歴)、特徴的な脱毛部位(おでこ、てっぺん)を総合的に判断して、診断します。典型的なパターンでは比較的簡単に診断がつきますが、なかには他の病気が隠れていることもあります。多くはありませんが、甲状腺の病気や、膠原病、貧血、薬剤などが原因となることもあります。これらの場合は、もともとの病気の治療をしなければ脱毛がよくなることはないので、注意が必要です。必ず一度は医師の正確な診察を受けたほうがよいです。